Column
2016-10-19(Wed)
コンテンツを作る時、どうすれば注目される魅力的なコンテンツを作れるのでしょうか。
コンテンツを目立たせる手法として「遠距離の法則」があります。これはリオオリンピック閉会式で日本の演出にも用いられた手法です。
今回はこの「遠距離の法則」についてご紹介します。
「コンテンツマーケティング」という言葉がうたわれるようになってしばらく経ちますが、SNSが発達したインターネット時代においてコンテンツの力はやはり大きく、引き続き注目されているアプローチ方法です。
コンテンツマーケティングの第一人者であるジョー・ピュリッジ氏によれば、
コンテンツマーケティングとは「有益で説得力のあるコンテンツを制作・配信することによって、ターゲット・オーディエンスを引き寄せ、獲得し、エンゲージメントをつくり出すためのマーケティングおよびビジネス手法を指す。その目的は、収益につながる顧客の行動の促進である」と定義されています。
企業と消費者の双方向からリアルタイムのコミュニケーションを図るために、引き寄せから獲得までの流れをスムーズにするコンテンツマーケティングはとても有用な手法です。
そこで大きな課題となるのが、コンテンツ作りです。
そもそも人目を惹く派手なコンテンツを作るには時間とコストがかかるため、中小企業やベンチャー企業にとっては非常にハードルが高く、挑戦しにくいもの。
限られた時間とコストで魅力的なコンテンツを作成するには、「アイデア」を主軸において考える必要があるでしょう。
近年話題になったコンテンツに注目しながら、これらに共通する「遠距離の法則」をご紹介します。
「遠距離の法則」は「距離が遠い2つのものをくっつけると魅力が増す」というギャップを活用した考え方で、ターゲットに驚きやインパクトを与えて興味・関心を持たせ、引き付けるきっかけになります。
たとえば、リオオリンピック閉会式の五輪旗の引き継ぎ式で行われた日本のショーにおいても「遠距離の法則」をみることができます。安倍首相という固く厳格なイメージのある存在が、親近感あふれるゲームキャラ・マリオに姿を変えて会場に登場する、という演出は観客の心を掴み、拍手喝さいを浴びました。言うまでもなく、安倍首相とマリオの間には大きな距離があり、そのギャップがあるからこそ光ったアイデアだと言えます。
また、マリオは以前メルセデスベンツの広告にも登場したことがあり、それも高級車×ゲームキャラというギャップによるインパクトを与え、成功を収めています。
このように「遠距離の法則」が親近感を感じさせるような意外性を持つ場合は、ターゲットに強い好感を抱かせることもできます。その結果、ターゲットの心には「良い記憶」が残り、ブランディングにもつながっていくでしょう。
海外アルバムチャートで1位を獲得したことにより、さらなる知名度を獲得したアイドルユニット「BABYMETAL(ベビーメタル)」。海外のメディアでも数多く取り上げられています。
「アイドルとメタルの融合」というコンセプトで誕生したメタンダンスユニットですが、こちらもアイドルとメタルの間にはかなりの距離があります。アイドルなのにアイドルソングを歌わずにメタルを歌うという驚きは、グループの魅力を大きく向上させました。
アイドルがアイドルソングを歌っても、すでに著名な競合アイドルグループは多数存在するため埋もれてしまいますし、驚きもありません。それに対して、この奇策は功を奏したと言えるでしょう。また、奇策とはいっても「アイドル」と「メタル」は青春時代に熱を入れ込みやすいジャンルでもあり、遠いようで共通点があったというのも成功の要因になっています。
このように「遠距離の法則」を活用する場合は、なにかしらの共通点があるかどうかにも着目して考えるのがおすすめです。
IT関連のコンテンツを作成する場合はまずITの特徴を箇条書きにして、いずれかの特徴と共通するものと掛け合わせたコンテンツを考えれば、良いアイデアにたどり着く近道になるでしょう。
コンテンツを考える際は、無難なアイデアに落ち着かずに意外性を持たせることで注目を集められる可能性が増します。ただし、単純に奇抜なアイデアを考えるのではなく、2つの距離を意識して離しながらも共通点を持たせたアイデアを考えられるよう心がけましょう。
そうすれば、ターゲットのインサイトをつき心を掴むコンテンツが誕生するはずです。
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