Column
2017-07-21(Fri)
「爆買い」が話題になりましたが、今後ビジネスを拡大させるためにはインバウンド戦略が欠かせません。インバウンドに成功している会社と言えば、ドン・キホーテをイメージする方も多いのではないでしょうか。
今でこそ外国人観光客に人気のドン・キホーテですが、最初は全く認知度がなく、チラシを渡してもすぐにポイ捨てされてしまっていました。そんなドン・キホーテがどのようにしてインバウンド王者となったのか、実際の戦略をみながら徹底解説します!
このコラムでは、BtoCマーケティングの戦略をBtoB向けにご紹介します。ぜひ最新のマーケティング戦略を自社のマーケティングに生かしてくださいね。
訪日客の何%がリピーターになっていると思いますか?
なんと現在のリピーター率は60%以上。爆買いブームが下火になりつつある今、リピーター施策が今後のカギを握るでしょう。新規客狙いの施策だけでは通用しないのです。
そこで必要なのが顧客分析です。アジアの国々はどんどん経済的に豊かになり、今までとは求めるサービスも変わってきています、ただ価格競争するだけでは心を掴むことができません。日本人顧客と同様に顧客分析を行い、データ名に基づいたサービスを随時提供するべきなのです。
とは言っても、日本人と外国人の好みは違いますし、さらに性別や年齢でも異なります。ドン・キホーテはそのためマーケティングにおけるF1層やF2層のように分類し、より精度の高い分析を行っていきました。そして中国人なら中国人、タイ人ならタイ人向けのポップを用意するなど、店頭施策にもその分析結果を反映させました。ここまで徹底すると、リピーター化も促進されます。
これを可能にしたのが2015年の購入者誓約書・購入記録票のデジタル化解禁です。これによりだれがどんな標品を購入しているかがわかるようになり、一気にサービスの質が向上しました。ドン・キホーテに限らず、こうした分析を地道に行っている企業がインバウンドビジネスに成功しているのです。
これはサイトでも同様で、英語のページを作成するなどしてビジネスのすそ野を広げていくことが今後重要になるでしょう。少子化が進み日本の人口は減る一方ですが、世界全体の人口は増加しています。母数の大きい方へ今から舵きりする必要があるのです。
これから外国人観光客の集客を行う場合、観光地以外のエリアだと誘致から始める必要があります。ドン・キホーテではまず新宿からインバウンド戦略をスタートさせましたが、新宿はショッピングスポットではあるものの、浅草のように日本的な観光施設があるわけではありません。観光客を呼び込むための工夫が必要でした。
1店舗だけで観光客を招くのには限界があります。最初はドン・キホーテも認知度が高くなく、中国の旅行会社のほとんどがドン・キホーテの名前すら知りませんでした。そこで、地域全体で協力して観光客の誘致を行ったのです。
まず新宿の飲食店に声を掛け、割引やオプション無料のクーポンを用意しました。そのクーポンをワンセットにして「YOKOSO!JAPAN PASS(ようこそ!ジャパン・パス)」という専用のカードを作り、旅行会社から混交客に配布したのです。こうしたクーポンであれば捨てられてしまう心配もなく、多くの観光客がクーポンを持って来店しました。また、カードを使用すると旅行会社に手数料が入る仕組みにしたので旅行会社との協力関係を作ることができたとのこと。
通常のビジネスでは、同エリア内は競合となり、顧客の奪い合いになることも珍しくありません、しかし、インバウンドビジネスはそのエリアに呼び込むことでお互いに収益を生み出すことができます。
これと同じことがイベントや展示会でも言えます。イベントや展示会で自分のブースだけに呼び込むのは難しく、そのエリア全体を盛り上げて自然と足を運んでもらえるように導線作りをしたいもの。
イベントを開催する際は、思い切って周囲と協力関係を築き、全体の集客力を底上げしてはいかがでしょうか。
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