Column
2017-10-30(Mon)
ライザップとファミリーマートのコラボレーション商品『ファミマでライザップ』は、スタートからわずか一年で売り上げ2倍(前年比)を達成し、成功街道を歩いているコンビニの新シリーズ。ファミリーマートで糖質をコントロールしたカレーやパスタ、デザートなどを展開し、現在の商品数は50種類以上!
今回はコラボレーション成功の秘訣を分析します。
ファミリーマート側のメリットは新商品ながら「ライザップ=健康的」とすぐにイメージさせられるので、認知活動のコストをかけずに訴求できる点です。ライザップのブランド力により新ブランド育成する手間と時間を削減し、ターゲットが限定される低糖質ブランドであっても効率的に販促できます。
低糖質ブランドに限らず、新商品・新サービスの最大の課題は認知度向上。ライザップとコラボすることで、その最大の課題を即クリアできるのです。
ライザップ側のメリットは、全国のファミリーマート店舗で商品展開できる点。ライザップは拡大を続けていますが、全国でもまだ約100店舗しかなく、一般消費者にライザップの魅力を伝えるにはまだリーチが足りません。そこで、全国のファミリーマートの店舗を利用することで、ライザップの食品についても一気に訴求できるようになったのです。
コラボのデメリットは、ターゲットが異なる点です。ライザップでは健康意識がとても高い層がターゲットですが、ファミリーマートでは一般的なユーザー全体がターゲット。そのため、ライザップに通うくらい健康意識が高いユーザー向けに商品を作ってしまうと、ファミリーマートに来店するターゲットよりもかなり限定的になってしまうのです。お互いの中間点を探りつつ、ターゲットを再設定する必要があります。
健康食品は伸びしろがあり、全体の約25%ほどのターゲットが見込めます。ただ、今はまだコンビニで健康食品を選ぶユーザーは多くなく、一気にストイックな方向に振り切った商品ではなく、はじめの一歩にふさわしいライトな商品から開発しました。
コンビニで健康食品を訴求するのは、実はとても難しいこと。低糖質商品ばかりを健康的だと言ったら「じゃあ他の商品は体に悪いのか?」という疑問を与えるリスクがあります。糖質=悪なのではなく、あくまで「必要な栄養素を正しく摂取して食事バランスを整えていきましょう」という啓蒙活動が必要不可欠でした。
そこで、コンビニ食品を使った健康的な食生活を訴求するために行ったプロモーションが「#ファミマでライザップ ファミマで糖質コントロール生活」です。コンビニスタッフ11名が、ライザップとのコラボ商品含めファミリーマートで販売している商品を利用して食生活の改善に取り組む様子をホームページとSNSで紹介しました。2017年6月27日から約2ヶ月間実施した結果、参加者11名合計で体重84.5kg、腹囲137.7cmの減量を達成しています。
このプロモーションの狙いは3つあります。まず1つめは、一般消費者に向けた広告活動です。コンビニ商品なので手に入れやすく、すぐに挑戦できるハードルの低さもあって「これなら自分にもできそう」と思ってもらえます。
2つめの狙いは、発注の権限を持つ店舗スタッフを巻き込むこと。実際にスタッフ参加型のイベントでリアルな商品の魅力を訴求すれば、発注につながります。企画そのものに話題性を持たせつつ、加盟店に参加してもらうことでさらに話題化してもらえるような環境作りをしたのです。
3つめの狙いは、コンビニの食品でも健康的に痩せられると伝えることです。健康意識が高まってくると「いろいろな原材料が使われているコンビニ食品は体に悪いのでは」と考える方も増えてきます。こうした不健康なイメージを、ダイエット企画を通じて払拭。コンビニの食事でもきちんと必要な栄養を摂取しつつ、楽しんで痩せられることを実証しました。
コラボはお互いの強みを掛け合わせて、一気に話題化へとつなげられるジャンプ台になりうる有効なプロモーション手段です。もちろんデメリットもあるので検討が必要ですが、利害関係が一致するパートナーをいっしょに新しい話題作りに取り組んではいかがでしょうか。
ビーダッシュではこうしたマーケティング・プロモーション企画のご提案も行っております。ぜひお気軽にご相談ください。
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