Column
2016-07-28(Thu)
会社案内をとりあえず作成したものの、内容に不満を感じている企業は少なくないものです。とはいえ、どのように会社案内を作成・リニューアルすべきか、明確な答えを持っている企業はほとんどないのが実情です。
会社案内は言うまでもなく「企業の顔」であり「ブランディング」です。会社案内によって企業のイメージが形作られると言ってもよいでしょう。そのため、会社案内は意図を持って、かつ戦略的に作成すべきです。
このコラムでは、会社案内作成のコツについて解説します。
会社案内は、どのようなプロセスで作成すべきでしょうか。基本的なプロセスについてご紹介します。
誰に向けた会社案内なのかを明確にします。例えば投資家なのか、採用の応募者なのか、お客様なのか、お客様の中でも経営層なのか、担当者なのかなど、ここを明確にしなければ、記載事項を決めることもままなりません。
もちろん利用シーンは一種類ではないと思います。しかし「主に誰に向けた会社案内を作成したいのか」は明確にする必要があります。
次に「作成目的」を決めます。
営業ツールなのか、企業のブランディングツールなのか、リクルート用のツールなのか、目的には様々なものがありますが、メインの目的を明確にします。
会社案内のコンテンツを決めます。1と2の決定に基づき、その上で必要・効果的な項目を決めます。
仕様や色、イメージなどを決めます。ただし、デザインは1~3が決まってから着手しましょう。
それでは、それぞれのプロセスについてさらに詳しく見ていきましょう。
伝えたい対象によって、伝えたい内容も変わってきます。ここでは、上記に挙げた新規顧客開拓向けの会社案内を例に出して考えてみましょう。
この会社案内を読むのはいったい誰でしょうか。決定権のある中小企業の社長なのかそれとも対応窓口である大企業の中堅社員なのか。
中小企業の社長の場合は、経営課題にリーチする内容にする必要があるでしょう。一方、大企業の中堅社員の場合は、上司ほか決定権者に対する説得資料として使えるものにするべきです。
このように「対象」を明確化すると、会社案内の目的やコンテンツの方向性も見えてきます。
「作成目的」は、「対象」に何を伝えたいかをベースにして考えるとよいでしょう。
例えば新規顧客の開拓を目的とする場合。この例では、信頼・安心感を与えること、取引するのに値する会社であることを伝え、ビジネスのきっかけにすることが目的になります。
そのためには、会社の安定性・成長性、会社や製品/サービスの強みなどを伝えます。
会社案内は会社の概要や事業内容だけを伝えるものではありません。「対象」に何を伝えたいかについて検討を重ね、明確化することが大切です。
コンテンツは、「対象」が知りたいことを中心に構成します。
上記の新規顧客開拓の例であれば、安心・信頼感を与えるために必要な要素を考えます。たとえば、会社の規模・沿革、実績のある取引先、事業(製品/サービス)の内容や強み、CSR(環境活動)、あるいは可能であれば受賞歴など、安心・信頼感を伝えるために必要な要素を考えます。
クレド(経営理念・信条)を入れるのも一手です。
クレドといえば、「ジョンソン・エンド・ジョンソン」や「ザ・リッツ・カールトン」が有名ですが、これらの情報もお客様に信頼を与える大きな情報となります。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのクレド
ザ・リッツ・カールトンのクレド
会社案内の作成に携わると「〇〇のようなデザインがいいよね!」とデザイン案の話に終始することがあります。デザインにこだわることは必要ですが、デザインはあくまで読む「きっかけ」に過ぎません。
重要なのはこれまで説明してきた通り、「対象」や「作成目的」そして「コンテンツ」。これらが明確になっているからこそ、デザインできるのです。
ただし、ブランディングが目的の場合には、コンセプトを表現するデザインである必要があり、デザインが重要要素になってきます。
目的によって、どこに最も時間をかけるべきかを決める必要があります。
会社案内は、一度作成するとリニューアルが難しいもの。それだけに、誰に向けて、どのような内容で、いかに正しく伝えていくのかが重要になります。
企業価値を高め、営業活動の結果につながるよう、「対象」「作成目的」「コンテンツ」「デザイン」まで一気通貫で考え抜き、時間と労力を惜しまずに作成することが大切です。
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