Column
2016-06-28(Tue)
MA(マーケティングオートメーション)の成功の肝とも言われるスコアリング。MA(マーケティングオートメーション)はペルソナ設計から始まり、次にカスタマージャーニー設計、そしてコミュニケーションシナリオの整理、シナリオやコンテンツに沿ったスコアリング設計という順番を辿ります。
つまり、スコアリング設計はMA(マーケティングオートメーション)のなかでも“トリ”を務めるもので、ここで失敗しては前段のプロセスが無駄になってしまいます。
MA(マーケティングオートメーション)ツールは、リードの「見込み度」をスコアで判定し、先に設定したコミュニケーションシナリオに基づいて、起こすべきアクションを自動的に実行します。例えば、リードが自社ホームページの製品紹介ページを訪問したら10点、メールを開封したら3点、導入フローや価格のページを訪問したら20点など「見込み度」に応じてスコアを割り振っていきます。
ここでマーケティング担当者が課題と感じているのは、スコアリングによって「本当の見込み度」を見抜けるかどうかです。
例えば、リードが何度も自社製品ホームページを訪問すればスコアはどんどん加点されていきますが、実態を正確に表しているかどうかは疑問です。というのも、単に情報を集めているだけ、実際のところ購買意欲はあまり高くないという可能性も考えられるからです。
つまり、リードの「見込み度」を正確に把握するためには、スコアリングは加点だけでなく、減点も重要という話です。この記事では、スコアリングにおける「減点」をどのように設定し、扱うべきか解説します。
スコアリングは「属性・行動・時間」という3軸を中心に構成するのが一般的です。
「属性」は、簡単に言えば企業情報です。
対象となる企業の規模、業界に合致しているものはスコアを高くします。また、入社5年目の中堅社員よりも、決裁権を持つ部長のスコアを高く設定します。役職は年を追うごとに変わる可能性はありますが、急激な変化は少ないでしょう。
「行動」は、MA(マーケティングオートメーション)ならではの手法と言えます。リードの具体的な行動に対して点数を与える方法で、「どんな行動に何点付与するか」がポイントになってきます。もし、リードが一定のスコアを超えた場合、企業は営業担当者に情報を渡すなどの行動を取ります。
そして「時間」。「時間」もMAのスコアリングにとって重要な概念です。短期間に何度も導入事例を見に来れば、購買意欲が高まっていると判断できるでしょう。しかし、パタッとホームページの閲覧がなくなった場合は、残念ながら他社製品を既に購入してしまったという可能性もあります。
上述した通り、「行動・時間」は「属性」と異なり、変化が激しいものです。ですから、「行動・時間」に当てはまるシナリオを中心に、「減点」を設定するとうまくいくケースが多いです。例えば、1か月間製品紹介ページへのアクセスがない場合はマイナス20点、メールの開封が3回連続なかった場合はマイナス10点などと設定します。
マイナススコアが付いたということは、リードの購買見込みが多かれ少なかれ減少していることを意味します。マーケティング担当者としてはリードの状況に応じて、購買意欲を上げる施策を実施する必要が出てきます。
例えば、1か月間製品紹介ページの閲覧がないリードに対しては、導入フローや価格について案内をしても効果が見られない可能性が高くなります。それよりも興味喚起を目的に、そのリードと同じような製品/サービスを扱っている企業の事例を知らせたり、導入事例などの資料をダウンロードするよう促したり、販売促進よりは興味を持ってもらう施策の方が効果的であるケースが多いでしょう。
もし既存顧客が「解約」ページを訪問した場合など、契約に直結する行動が見られたら大きなマイナススコアを与え、自動的にアラートが出る仕組みなどを導入するのも一案です。ほかにもアラートを出すべきページがあればマイナススコアを設定することはもちろん、タグを埋め込んでおくとこも重要です。
MA(マーケティングオートメーション)におけるスコアリングは、加点ばかりしていると、点数は青天井となり、リードの「見込み度」を正確に見抜くことは難しくなってきます。
「行動・時間」に該当するシナリオを中心にマイナススコアを設定しスコアの精度を上げ、リードの状況に応じたマーケティング施策を行うことが重要です。
とはいえ、マイナススコアをどのように設定するのか、悩んでいるご担当者もいらっしゃるでしょう。設定の際、日頃のPDCAサイクルのなかで、「加点」と「減点」を分けるのではなくセットで考え、シナリオを見直してみてはいかがでしょうか。
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