Column
2017-03-28(Tue)
マーケティングを進めていくほど見込み客のデータベースはどんどん膨らんでいきます。勘や経験だけで膨大なデータの中から必要なリストをピックアップするのは困難です。そこで今回は有望な見込み客を絞り込むための手法、スコアリングについて解説します。
スコアリングはリードクオリフィケ―ション(リードの絞り込み)を効率よく行うための最も有効な手法です。
リード数が増えていくにつれ、データの分析は難しくなります。極端な話をすれば1リードを扱うのと、1000リードを扱うのとでは分析にかかる時間がまるで違います。大量のリードを画一的に見ようとせず、ある評価基準に従って点数を付けるのがスコアリングです。スコアリングによって購買意欲の高いリードのみを抽出できるなど、フォローアップの優先順位が明確になっていきます。
優先順位の高いリード、つまり購買意欲の高いリードをホットリードといい、マーケティング部門及び営業部門の双方にとって注力の対象となります。
スコアリングの考え方は特別なものではありません。オリンピックなどで見るフィギュアスケートや体操、シンクロナイズドスイミングといった演技種目では技の難易度によって加点され、その合計得点で順位が決まります。また私たちも仕事や生活をする上である理由をもとに、これを先にやって、これは後回しにしてという優先順位を必ずつけているはずです。
マーケティングに限らず、スコアリングはとても身近で自然、かつ合理的な手法といえるのです。
<参考記事>
2分でわかるマーケティング用語解説「リードクオリフィケ―ション」とは?
2分でわかるマーケティング用語解説「ホットリード」とは?
基本的にはリードの属性と行動履歴(WEBトラッキング)からスコアリングを行います。属性は主に役職によって異なるスコアを設定します。部長クラスと課長クラス、あるいは決裁権の有無で点差をつけます。
・役職なし … 1点
・課長クラス … 3点
・部長クラス … 5点
・経営者 … 10点
行動履歴に付ける点数は購買意欲が高いと思われる行動ほど高得点を設定し、ページへのアクセスやメールの開封ごとに加算していきます。
・概要ページを閲覧する … 1点
・仕様比較ページを閲覧する … 2点
・メールを開封する … 3点
・動画を再生する … 4点
・資料をダウンロードする … 5点
誰がなにをしたとういうこの2つのスコアリングによって、より確実なリードを営業部門にフィードバックすることができます。
スコアの合計点数の高い方が必ずしも有望な見込み客とは限りません。リードAとリードBが同じ50点だとしても、同等に扱えるとはいい切れないからです。
この場合、注意すべきはスコアの集計期間です。1年前の50点と3日前の50点では意味がまったく違います。当然後者の方が重要であり、同スコアなら直近の合計点数が高い方に注力するべきでしょう。
では古いスコアは無視していいかというとそういうわけでもなく、仕切り直しという意味でフォローアップの種類を変えてアプローチすれば、再検討の機会を生むことも可能です。いずれにしても、集計期間をどこまで遡るかによって、スコアリングの精度は大きく変わります。
また意外な落とし穴としてあり得るのは競合他社のスコアです。競合他社のリードは最初から外しておくべきですが、万が一含めてしまうとリサーチ目的の行動履歴によって、軒並み上位にランキングされてしまいかねません。WEBの行動履歴だけを見れば、自社製品に最も興味を持っているのはライバル企業の担当者というのも納得できる話だと思います。
いかがでしたか?日々データが増えていく中、リードクオリフィケ―ション(見込み客の絞り込み)において、リードに優先順位を付けるスコアリングは欠かせないものです。スコアリングによって、マーケティング部門から営業部門に手渡すデータが高精度になり、無駄なセールス活動の削減を可能にします。
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