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2016-06-28(Tue)
MA(マーケティングオートメーション)ツールは、リードの「見込み度」をスコアで判定し、先に設定したシナリオに基づいて、起こすべきアクションを自動的に実行します。このとき、スコアがリードの「見込み度」を正しく表したものでなければ、リードに対して適切なアクションを起こすことはできません。
今回は、リードが獲得しているトータルスコアは同じであるものの、「見込み度」は大きく異なっている、という事例をご紹介します。わかりにくいので、具体例を出して説明しましょう。
あるIT企業が製品AとBを持っていたと仮定します。
この企業におけるホームページのつくりは以下の通りとなっています。最初にLP(ランディングページ)があり、そこから製品AとBの説明ページへアクセスできます。ただし、LP(ランディングページ)を経由せずとも製品AとBの説明ページへもアクセスできます。
この企業は、MA(マーケティングオートメーション)ツールにおいて、(1)~(3)を訪問した場合のスコアを一律5点としてカウントしていました。
上述した条件で、3人のリードが(1)~(3)を訪問しました。
リード1は、LPを6回閲覧していますが、製品AとBの詳細説明ページには2回ずつしかアクセスしていません。リード2は、製品Aの詳細説明ページにアクセス、リード3は製品AとBの詳細説明ページに同じ回数アクセスしています。
3者ともスコアは同じですが、その意味は大きく異なっていることに気づかれるでしょう。
ここで、下記のような仮説を立てることができるはずです。
上記のような仮説が立てられれば、打つべきマーケティング施策は自ずと変わってきます。例えば下記のとおりです。
このように、スコアがたとえ同じだったとしてもリードの「見込み度」はまったく違います。
この例で言えば、ダントツにリード2の購買意欲が高いことがわかります。もし、この事実を把握せず、この3者をまったく同じ「50点のホットリード」として営業部に渡してしまったらどうなるでしょうか。最悪の場合、営業部から役立たずの烙印を押されるかもしれません。
スコアリングは「属性」「行動」「時間」という3軸を中心に構成するのが一般的です。この3軸のうち、「属性」はそれ程大きな変化のある要素ではありませんが、「行動」(メールの開封、Webサイトの閲覧など)と「時間」(1週間で特定の製品ページを10回閲覧したなど)は変化の激しい要素で、動向を絶えず注視する必要があるでしょう。
さらに、リードの「行動」と「時間」を中心に「ボーナススコア」を加算するのも一案でしょう。
ボーナススコア導入の利点は、「注意すべきリードがわかる」ことです。
ボーナススコアが加算されているということは、リードがプラスのアクションを起こしていることを意味しています。3者が同じ点数だった場合、どのリードも同じように見えるため、マーケティング施策が打ちにくくなりますが、ボーナススコアが加算されれば、注意すべきリードが目立つようになり、打つべき施策が見えてくるはずです。
この記事では、たとえリードのトータルスコアが同じだったとしても「見込み度」は異なることをお伝えしました。実際には、この記事の例よりもっと多くの因子が存在します。
スコアリングは、設定したらそれで終了ではありません。社内にスコアリングのノウハウが一定程度蓄積されるまでは、リードの動向を細かく見ていき、PDCAサイクルを回していくことが必要です。
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